濃紺の空

怒られなかった。それに楽しかった。が、追い詰められた。

  • “無機質”
  • “虚勢”

それにしても、ものっすごい良い笑顔で追い詰めてくる。楽しいらしい。苦しいながらに悪い印象がないのは、意地悪ではないとわかっているから。
黙ることに慣れ始めたと思った矢先に、軽く軽く話をしてしまった。話をしたら自分が思っていたより、話ができる。思っていることを口にできる。また、口にしたいと思い始める。治りかけのカサブタを無理矢理剥がしてしまったとこぼすと、「自分で剥がしたんだよ」と返された。その通り、私が剥がした。でも後悔よりも前向きなものを感じる。まだ、話せるんだと。……しかし、誰に?