低レベルだと咲う花

「…で、どうなの? 存在と存在しているものの話は」
「存在しているものと存在には隔たりがある」
「何故」
「隔たりがないと、同一のものとみなされるから。Aという物体はAであって、Aという存在ではないもん」
「でも、Aの存在はAという物体があってこそ存在できるものだろうよ。Aの存在はAそのものに依存するものだと思うから、そこに隔たりはないと思うのだけど」
「同一のものだと?」
「……」
「AとAの存在は同じものだと言えるの?」
「切り離せないのだから、同一と言って構わないだろう」
「そうかなあ。切り離せない中にも異質はあると思うけどなあ。異質の集まりによって、一つのモノができるというか」
「それってなんだか国みたいだ」
「国どころか、あらゆるもの全てみたいなね。一番身近なものでいうと、“自分”とか」
「精神と肉体か」
「他にもある。精神の中でも意識と感覚、自我と感覚……同一なものなんてありゃしないと、私は思います」
「存在の話に戻すが、Aという物体とAの存在は異質同士だと言うのか」
「はい。その異質同士であることが、隔たり」
「じゃあ、これら二つは分かれて存在しているの?」
「いや、“自分”と同じくそれらが共にあってAとなっているから分かれているわけではない。ただ、全く一緒・同一ではないというだけで」
「……思ったのだけど、Aがあるから存在が付随してくるのか、Aの存在があるからAが存在できるのか。どうなのだろう」
「いつものパターンだ。同時か、可能性と同じようなカタチかもしれない」



文章にまとまめること。