「他者」について論じなさい。

他者は自分と区別されているものである。感覚、意思、肉体など、それぞれ分かれていて隔たりがあり、同一になることはない。つまり、自分にとって他者は異質であり、また他者からみても自分(他者を区別している私)は異質である。
しかし、本当に区別されていて、お互いが異質であると言い切ることができるのだろうか。個々として分かれているとしても、元々が一つの同じものから出来ているとするなら、我々は完全な異質だとは言えないだろう。同じものとは何を指すのか。それは、存在の元と呼べるものである。例えるならば、粘土の工作を思い浮かべてもらいたい。飛行機やケーキなどそれぞれ思い思いに作られた作品は形は異なっているが、それらの材料は粘土である。これらは作品としては異なるものだが、「粘土」としては同じものだろう。大雑把に言えばそれと同じようなもので、我々も、個々は違う物体で形も異なるが、それぞれが存在している元は同じではないかと考えるのだ。
では、その存在の元とはどのようなものであるのだろうか。存在の元とは、この世界に存在するもの全ての存在の根源にあるものだと考える。それは自分自身から始まり他者や生物などの物体や、時間や空間、思想や歴史などの非物体まで、文字通り「全て」と言って構わない(そしてそこには、神や仏などの人間を超越しているとされる存在、天国や地獄といったものまでも含まれる)。
つづくかな