私に命令される、私

少し前に気になる番組をやっていた。家を出なくてはいけない時間になってしまい途中までしか観られなかった。
小学三年生が自分で作った「こころのたまご」をお世話するという教育を追った番組。その「こころのたまご」はペットではなく、自分自身だと考えてお世話する。ある子はたまごに腹巻きをさせ、また違う子はオルゴールを聞かせてあげていたりした。
たまごを通じて、自分たちが生まれてきた時の状況などを知るなかで、ある男の子の話が取り上げられた。
Aくんは赤ちゃんの頃にお風呂で溺れかけた。このときのお父さんとお母さんの気持ちはどんなだったでしょうか、というもの。
心配した、死んじゃったらどうしようと思うなどの色々な意見が出た後にある生徒がこんな感じの感想を書いていた。

「Aくんの両親の気持ちを考えるということは、Aくんの両親の気持ちにならなくちゃいけないから、とても難しかった」*1

相手の気持ちになって考えるって本当は難しいんだよなあ。所詮は「なってるつもり」でしかない。


全力で疾走してきたつもりは全くないのに、あっという間に二十歳。急に怖くなった。二十年間生きてきて、パッと思い出せることがあまりに少ない。私は本当に二十年間も生きたのだろうか。これからもあっという間に生きて死ぬのか。嫌すぎる。
周りが全速力で変わっているように思える。私の“中身”だけ取り残されるような。

*1:大体こんな感じだったと思う。少し違う気もするが…