誰が為に啼くか、鶯

祖母のことはあまり好きでなかったから、何があってもショックを受けることはないだろうと思っていたのだが、あまりの変わりように愕然とした。衰弱しきった姿は、もはや私の知る祖母ではなかった。
ありがとう、迷惑かけたね、と祖母の手をさすりながら話しかける父の姿が悲しさを一段と引き立てて、なんとも言えない気持ちになった。私は何を悲しんでいるのだろうか。祖母が衰弱しきってしまったことか、父が悲しんでいることか、その場の雰囲気に呑まれてしまっただけなのか。
親戚の嫌な部分とかうちの嫌な部分とか、色んなものを見てしまってなんか嫌だ。