焼き肉を食べながら話をしていたら、相手があることについて語り出した。
「結婚願望ってある? 女性って結婚するとテツガクとかシソウとかダメになると思うんだ*1」
結婚してから本を出してもテツガクともシソウとも言えない読むに耐えない内容になるという。で、もっと言うならば女性がテツガクをするというのも、歴史的には二人*2ほど出てきたがそれは希少なことであるという。
別に私は本を書く仕事に就いているわけでもないし、結婚もしていないし、テツガクと言えるようなもの……怒ったり腹を立てる必要はないのだが、あまり良い気持ちはしない。というか不愉快である。その人の発言には棘どころか牙やかぎ爪が生えているために、今までも結構傷ついたことはあったがその際に「不愉快」と口にすることはなかった。しかし今回はあまりいい気がしない、不愉快だと伝えた。すると相手は「そうだろうね、ふざけるなって殴りかかられてもおかしくないと思うよ。自分で言うけど、これは女性差別だからね」とニコニコしていた。
つまりは、今までちょこちょこと漏らしていた私の考えに対しても「女性だから」みたいなフィルターをかけて応答していたということか。自分の優れているところを確認するという“使い方”をされていたのかもしれない*3。考えを深く詳しく話をしなくてよかったと考えるべきか、少しでも口にするべきでなかったと考えるべきか。どちらにしてもはっきり言えることは、これからは考えを話したいと思うことはほとんどないだろうということ。本人、何でこんな話になったんだっけ? と笑っていた*4。
それにしても、一応女である人に対してキッパリ・はっきり女性差別を口にするとは何かスゴイと思う。それくらい私は馬鹿にされているということなんだろう。女性を持ち上げろなんて思わないし、そう考えるのも個人を馬鹿にするのも人の自由だが……不愉快である。不愉快だし、もしかしたらいつかは話せる相手なのではないかという考えが失われて悲しくもある。
米粒大の粘土を潰すのに足を使う必要がどこにあるというのだろう。