鶉と獅子

永久に生き続けるというのも怖いし、いつか死ぬってのも怖い。
自我を超えるというのも怖いし、自我を持ち続けるのは問題の解決を阻む。
自分がここの一部分で、塵芥と同じようにここに流され続けてその核心に触れることができないことは苦しいけれど、核心に触れても呑み込まれてしまう。ましてや自分自身が核心になったら恐怖以外の何者でもない。
じゃあ一体どうしたいんだよ、と聞かれても困る。どうしても駄目なんだから、どうもしたくない。存在したくないわけじゃない。自我の消滅は怖いから。でも存在することによって流されるということも嫌だ。
恐怖。怖いとしか言いようがない。