目に見えるものだけが真実だとは限らない

図書館で借りて読んだ。

出版禁止 (新潮文庫)

出版禁止 (新潮文庫)

以下、自分用メモ。

自分なりのざっくりまとめ。(ネタバレあり)

永津佐和子は熊切敏に日常的に暴力を受けていた。
離婚しようにも弱み(性交渉時の録画)を握られており離婚できない。
そこで、遠縁で恩を売っていた新藤七緒に心中に見せかけた殺害計画を実行させる。
心中から生還した七緒は実家に移り住む。母親が死去、その後謎の体調不良により引きこもる。
熊切の父親である上湯堯は心中事件の真相を求める。
若橋呉成は知人(カミュの刺客の一人)から熊切敏心中事件のルポを書かないかと持ちかけられる。(物語の始まり)
若橋、政治結社の頭の高橋と接触し、洗脳を受けてカミュの刺客となる。
若橋、七緒と深い仲になる。
若橋、七緒殺害。その後自殺を図るも生還。
ルポは出版禁止となる。
若橋、獄中自殺。
その後、永津はカミュの刺客により飲酒運転に見せかけて殺害される。

若橋の最後のインタビューは鵜呑みにしていいかなと思った。
カメラには首に語り掛ける若橋が映っていたとのことなので、錯乱していた若橋の脳内での会話かなと。
今までの取材の総まとめを脳内の会話でしていた、ような。
ちょっと弱いけど……。



おそらく、七緒は母親が亡くなってから日常的に毒を盛られていたんじゃないだろうか。
(若橋が一緒に暮らし始めてから体調が芳しい。(単行本P.175)
若橋が東京から戻った日の深夜?に、七緒が発作を起こす。(P.180 L.13)
ただ、若橋が東京にいた数日間も体調はよく(P.180 L.6)、若橋が帰ってきた直後に発作を起こしているため、若橋が帰ってくる直前(1日前あたり?)に盛られた可能性があると考える。)
盛っていたのはだれか……。カミュの刺客の一人が毒を盛っていたのか、永津が口封じのために毒を盛っていたのか。
自分は前者かなと思った。「放送禁止」の隣人トラブルで医者さえもグルだったってこともあったし、自分のシンパを七緒の生活圏内に送り込んで……とかあるかなあと。
また、七緒は神湯と何かしらの繋がりがあったと思う。
七緒の遺書に書かれている「神」は神湯のことではないだろうか。
「私とあの人を導き合わせたことに関してだけは、神を深く恨んでしまいます。」(P.251 l.13)とのことから、神湯が刺客として自分のもとへ若橋を送り込んできたことを理解していたのではないか。
……神湯を信奉しているような口ぶりなので七緒もカミュの刺客なのかと思ったが、これは神湯の息子を手にかけたという負い目からくる言葉なのかも。


今日はとりあえずここまで!
後日付け足し