お互いに人見知り

電車の中で小さい男の子に、席ではなく立ち位置を譲った。チラチラとこっちを見るから笑いかけたり手を振ってみるのだけれど、男の子はニコリとも笑わない。笑うどころか不安そうな表情で眉間に皺が寄っていた。それでもニコニコと笑いかけたりしている私に、一緒にいた友人は「やりすぎると、泣くよ」と警告をする。やりすぎるも何も、ただニコニコしているだけなのに。「きっとこの子は、私の後光のまぶしさに驚いているのだ」などと冗談を言ってるうちに、男の子は母親に抱っこされて下車。下車するときにバイバイと手を振ったら、男の子がハイタッチをしてくれた。地味に嬉しかった。