不安

障害を持つ子供が通う小学校へ赴く。その学校では、とある脳の病気の子供たちがいた。その病気とは年をとるにつれて脳みその機能が著しく低下してしまうというもの。その病気のせいで、子供たちは甘いものをとても好み四六時中口に運んでいる。何か食べている以外は何の変哲もない、元気な子供たち。先生曰く、そのお菓子の甘さが病気の辛さを慰めてくれるらしい。ある子はおはぎを90g、またある子は狐色の固い飴をガリガリと齧っていた。
ふと、全体的に色の白い綺麗な少女に目がいった。彼女は千歳飴をなめている。「おいしい?」私は尋ねた。少女は少し間をおいたあと、とても優しい笑顔で「おいしい」と口を動かした。声はほとんど聞こえず。彼女はとても幸せそうだった。